結局、なぜ巡礼に行かなければいけなかったのか。日本に帰ってから、何度も、同じことを考えているけどどうも答えは出ない。「奇跡は起こってもいい。だけど、奇跡は起きない。カミーノは850kmを歩かなければサンティアゴへたどり着かない。そのことを身体でもって納得したかったから歩いたのだ。」今のところ、そう思うようにしている。
巡礼者は皆同じコトを言う。歩き終わったからって、自分は何も変わらなかった。だけど、それを確認できたことが良かったって。
巡礼をする理由はひとそれぞれ。だけど巡礼者のなかに、「巡礼は人生だ」という想いが共通していたように思う。自分がそう思っていたから同じような人と出会っただけかもしれない。けれど、歩いていると本当に実感した。辛い事が沢山あるんだけれど、その分楽しいことも一杯あった。そして、歩いてさえいれば、次の街にたどり着くことができた。きっとこれからもそう。
今日もあの巡礼路を誰かが歩いている。私達もいつかまた。
i Buen Camino !